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いま薬局が取り組むべき5つのことー7/11発表 厚労省ワーキンググループ資料を読み解いてみたー

更新日:2022年9月5日

7月11日、厚生労働省より「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ~薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン~」が発表されました。

薬局・薬剤師みなさんはもうご覧になられましたでしょうか?今回は、このアクションプラン資料を読み解き、これから薬局・薬剤師が取るべき行動について考えてみたいと思います。


 

目次

 

議論の狙い

PharmacyNewsBreak8月10日の記事では、厚労省「薬局・薬剤師ワーキンググループ」の主査である赤池氏にその狙いについて聞いており、このワーキンググループは対人業務の充実、薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)についての対応がまず主題であるとのことでした。


「2025年までに全薬局がかかりつけ機能を持つ」と掲げた「患者のための薬局ビジョン」の理念達成には現状はまだ程遠く、必要なことは何なのかという内容でアクションプランについて議論されました。


また令和4年の調剤報酬改定では、対人業務、特に調剤後フォローアップに関して点数化が明確になりましたが、赤石氏は「対人業務へのシフト」は次回の改定にも直結すると言及されており、そんな中での今回のアクションプラン発表です。


薬局としてどう行動すべきなのかを資料から読み解き、今後のさらなる「対人業務へのシフト」に備えると共に、長く地域で選ばれる(勝ち残れる)薬局運営を目指しましょう。


アクションプランの概要

まず「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ~薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン~」の概要についてです。


基本的な考え方として、下記3つが提示されました。

 

対人業務の更なる充実:処方箋受付時以外の対人業務の充実が必要。また、対物業務を含む対人業務以外の業務の効率化が不可欠。


ICT化への対応:各種医療情報を活用して薬局薬剤師DXを実現していくことが必要。


地域における役割:地域全体で必要な薬剤師サービスについて、地域の薬局全体で提供していくという観点が必要。

 

そして、上記3つの考え方の元、具体的に取るべき対策(アクションプラン)が4つ示されています。


・対人業務の充実

・対物業務の効率化

・薬局薬剤師DX

・地域における薬剤師の役割


現状と課題

薬局や薬剤師をめぐる状況と課題に関しては、


 
  • 薬局全体としては、小規模な薬局やいわゆる門前薬局が多い。

  • 薬局ビジョンで掲げられた目標(※)を達成しているとは言い難い。(※2025年までに、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す。)

  • 電子処方箋システムをはじめとする医療情報基盤が整いつつあり、こうしたデジタル技術への対応は必須。

 

と示されています。


現状、「患者のための薬局ビジョン」で掲げられた目標を達成しているとは言い難く、対人業務へのシフト、特にかかりつけ化というところでは、今後まだまだ促進していかなくてはならないという課題内容でした。


またさらに、電子処方箋など新たなデジタル技術への対応をどれだけスピーディーに進めていくか、また薬局DXにおいてはオンライン診療・オンライン服薬指導など、オンライン対応がしっかりできるかどうかというところも課題として挙がっています。


「対人業務の更なる充実」のキーワードは


冒頭でも触れたとおり、アクションプランの中で軸となる基本的な考え方は「対人業務の更なる充実」です。これを実現するための具体的なアクションプランとしては、まず最初に「調剤後のフォローアップ」が打ち出されています。


そして「健康サポート業務」、これも明示されています。最近のPharmacyNewsBreakの記事などでも、健康サポート薬局の認定がまた活気づいてきていると触れられていますが、国から何らかの方針が出てくることによって、動きはその都度大きく変わってきます。


今回のアクションプランも厚労省ワーキンググループからの発表なので、つまり今後「調剤後のフォローアップ」と「健康サポート業務」は、ますます重要とされるキーワードとなるでしょう。


ICT化への対応と地域における役割

アクションプランの基本的な考え方2つ目は「ICT化への対応」、3つ目は「地域における役割」です。特に「地域における役割」は、薬局そして薬剤師が、地域全体の中でどのように、どんな役割をすべきかというところがポイントになってくるということが、この基本的な考え方から読み取る事ができます。


対人業務の充実においての具体的な対応

さらに深堀して考えてみましょう。下記は対人業務の充実においての具体的な対応の方向性を示した資料です。

左下の図を見てみると、対物に対する業務の効率化を進め、その分の余力で処方箋受付以外の対人業務を充実させるべき、というのが読み取れます。そしてやはり調剤後フォローアップの強化というのがここでもカギとなっています。


対物業務の効率化においては、調剤業務の一部外部委託などが昨今話題になっていますが、処方箋枚数の40枚規制をどうするのかについては慎重に議論を行うべきとされています。


調剤業務の外部委託は、日本でも「アマゾン薬局」が生まれてしまうのではないかと懸念をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。一方で、欧米と日本は法規制が違うのでそう簡単には、という考え方もあるかもしれません。


ただ現実には、日常生活の変化を見てみるとアメリカの5年~10年前の流れが日本にもやってくるというような状況がここ30~40年の間ずっと起きていて、現在も変わっていません。


ということは、いきなり変わる事はないにせよ、制度にメスが入ってきているのは事実なので、中長期的には外部委託は今後どんどん進んでいくことが予想されます。


処方箋の40枚規制については、規制の見直しを慎重に行う上で特に強調されているのが「対人業務の充実に方向性が逆行しないこと」です。つまり処方箋を多く対応するために40枚規制を撤廃したとしても、その分、対物業務が増えて対人業務への余力が少なくなってしまっては元も子もありません。


方向性としてはあくまでも対人業務の充実を目指しているので、それに対して逆行しないというところが非常に重要であるということが記されています。


つまりこの部分では、「対物から対人」というところをしっかりとベースに持ちながら、対物業務の効率化を図っていくことが重要だと言えそうです。


薬局薬剤師のDXにおいての具体的な対応

次に薬局薬剤師のDXについてです。DX、すなわちデジタルトランスフォーメーションですが、これは「活用事例の共有」がアクションプランの1つとして出されています。


電子処方箋制度が来年の1月から開始されますが、それを使うことによってICT化を図り、さらにはDXの取り組みに対して事例を収集・展開すべきという風に言われています。


ということは、来年の1月になってから対応するのでは遅いということです。制度開始に備えて今から予め準備をし、制度の運用が始まったら様々な事例を収集・展開していく。今からできることをどのように準備しておくかというところが一つポイントになるのではないでしょうか。


もう一つは「オンライン服薬指導への対応」です。実際はまだオンライン診療の実施数はそこまで多くはなく、それに伴うオンライン服薬指導も多くはないですが、薬局外でのオンライン服薬指導もより推進すべきというところが調剤報酬改定でも打ち出されています。つまり薬局は、オンライン服薬指導ができる状態をどう整えておくかが重要なのです。


そして「調剤後フォローアップ」については、ICTを積極的に活用すべきと記載があります。これは、従来のように電話やFAXでの対応だけでは、やはり無理があると考えられている故です。しっかりとICTの活用を見据え、好事例を収集し、自薬局に合う形でアクションプランを推進していくことが大切です。



地域における役割の具体的な対応

また地域における役割という点では、「多職種及び病院薬剤師との連携」・「健康サポート機能の推進」が挙げられています。


健康サポート機能は、病気になられた方にお薬を処方するだけでなく、地域において未病の方がしっかりと予防・対策ができるような状態、こういった機能を薬局は有してほしいというところが健康サポート機能の本来の意味合いです。各薬局において、健康サポートをどう実現していくのかというところが大きなポイントになってきそうです。


多職種の方と情報連携しながら、どのように未病患者様を含め地域の健康を守っていくのか、こういったところが「地域における薬剤師の役割」として読み解けるのではないかなと思います。



まとめ

ここまで、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ~薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン~」を読み解いてきましたがいかがでしたでしょうか。


薬局・薬剤師が取るべきアクションプランは、対人業務の充実、薬局薬剤師DX、地域における薬剤師の役割(患者のための薬局ビジョン)をどう実現するかがテーマです。


対人業務の充実では、調剤後フォローアップ、そして健康サポート業務がキーワード。


薬局薬剤師DXでは処方箋対応、オンライン服薬指導、そしてフォローアップのICT化をしっかり進めていく必要があるということが示されました。


地域における薬剤師の役割では、かかりつけ化がカギを握ります。対人業務へのシフトとともに、しっかりとかかりつけ化に向けて取り組みを進めましょう。加えて必要なのが多職種との情報連携です。地域連携薬局は、いかに地域における情報の連携をしていくかというところが大きなポイントになっていきます。


そして最後に健康サポート機能の推進。


以上のことをまとめると、

・フォローアップの強化

・ICT・DX化の推進

・かかりつけ化

・多職種での報告及び連絡

・健康サポートで未病患者のケア


これが今回の厚労省ワーキンググループ資料を読み解いた中での「これから薬局が取り組むべきこと」5項目でしょう。


薬局淘汰の時代と言われる現代において、変化に柔軟に対応できなければ、安定した薬局経営からはますます遠ざかっていきます。しかし逆に言うと、時代の波に合わせてきちんと準備し、行動していけば、必ず勝ち残る事ができます。


私たち「あなたの調剤薬局」では、システムの導入だけでなく安定した薬局経営のためのサポート・ご支援も行っていますので、気になる方がいらっしゃいましたらぜひご相談ください。


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