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Amazon薬局は薬局業界において脅威なのか、チャンスなのか

更新日:2023年2月7日

昨年、Amazonが日本で処方箋販売事業への参入を検討しているという報道が流れました。Amazonは誰もがその名を知るアメリカ大手の通販事業会社で、日頃から利用されているという方も多いのではないでしょうか。


処方箋販売事業への参入報道があって以来、数カ月が経ちましたがAmazonは公式コメントを出しておらず、これが薬局業界内外で様々な憶測を呼んでいます。


様々な報道を見る中では、Amzonは中小薬局と組み、患者がオンラインで服薬指導を受ける際の新たなプラットフォームを作るのでは、という内容が様々なメディアを通して言われており、方向性としてはほぼ間違いのない内容かと思います。


ではこの、いわゆる「Amazon薬局」は薬局業界をどう変えていくのでしょうか。Amazon薬局は脅威なのか、それともチャンスなのか?紐解いていってみたいと思います。


 

目次

 

なぜこのタイミング?

まず、なぜこのタイミングなのか?というところを考えてみたいと思います。これはずばり、今年の1月から開始された「電子処方箋」制度が関係していると見て良いでしょう。


患者がオンライン診療や医療機関での対面診療を受けた後に電子処方箋が発行され、Amazonサイト上で調剤を申し込む。Amazon側は提携している中小薬局と連携しながらオンライン服薬指導を実施し、Amazonの巨大な配送網を通して薬の配達まで行うのではと見られています。


アメリカ本国での動き

「Amazon薬局」は、日本に先駆けてアメリカでは既に運用されているサービスです。2018年に、アメリカのオンライン薬局大手『ピルパック』を買収し、 2020年にはオンライン薬局『Amazon・ファーマシー』を設立しました。


これにより慢性疾患患者は薬局に行くことなく、大量の調剤を行っているセンターから薬が直接配送され、医療費の低減効果を見込むことが可能となりました。


なんとなく現状の日本におけるリフィル処方箋の考えに近い感じがします。もちろん法規制などは日本とアメリカで違いますし、あくまでも「リフィル処方箋の考え方に近い」というだけですが、成功例が既にアメリカではある訳なので、Amazonが今後事業参入するにあたり日本においても核となる部分なのではないかと予測されています。


今年の1月に電子処方箋が解禁となり、実際に使える医療機関や薬局の数はまだ限られてはいるものの、いずれにしても今後さらに普及してくることは間違いありません。業界の動きを見て、今後Amazon社も何かしらの動きを見せてくるものと思われます。



アマゾン薬局は脅威なのか、チャンスなのか

そうなると、今回のテーマとなる「アマゾン薬局は薬局業界にとって脅威なのか、チャンスなのか」を考えたときに、電子処方箋に対応できるよう薬局側が準備していなければ、時代の変化に乗り遅れるばかりか、Amazon社との提携や連携チャンスも逃しかねないということになるのではないでしょうか。


Amazon薬局が脅威なのか、チャンスなのか、答えは「薬局による」のだと思います。薬局大淘汰時代と言われている昨今、医療分野においてIT化・DX化の波は待ったなしです。時代の変化に合った設備投資や環境整備を行い、転がり込んできたチャンスを確実につかむためのベース作りを行っていくことが、今できることなのではないでしょうか。


アマゾンエフェクト

ところで皆さんは「アマゾンエフェクト」という言葉をご存じですか?


アマゾンエフェクト(Amazon effect)とは、「アマゾン効果」とも呼ばれ、アマゾン社の成長に伴う、経済・社会への影響や混乱、変革などの現象をいいます。


このアマゾンエフェクトにより、アメリカの百貨店・ショッピングモール・スーパーなどは合わせて約1万店舗が閉鎖に追い込まれました。また、書籍やCDの販売においても時代の流れに伴い大きな変化がありました。


つまりインターネット販売やサブスクリプションの普及によって、様々な業界が影響を受け、生き残りをかけて時代に合わせ変わってきているわけです。しかし例えば書籍の販売。Amazonをはじめとしたネット販売が普及しましたが、街から本屋さんが全て無くなってしまったかと言うとそうではありません。


淘汰はされてしまったかもしれませんが、やはり個人店でもチェーン店でも生き残るところは生き残るわけです。ここをひとつポイントとして押さえておいてほしいと思います。


大手資本によるネット販売と、リアルな店舗での販売。時代の中で淘汰されつつも、一部はなぜそれぞれ生き残っているか、勝ち残っているかというと、そこには「ニーズの違いがあるから」、これに尽きます。


つまり「調剤薬局には何を求められているのか」、そのニーズさえしっかりと押さえておけば、絶対に勝ち残ることができるのです。



ニーズの違い

ではAmazon薬局と比較したときのニーズの違いについて考えていきましょう。Amazonの最も強力な強みはやり「物流」です。物を動かす力です。では調剤薬局で働く薬剤師の皆さまの強みは?


皆さんが行っていることはずばり「医療」ですよね。そして、地域住民における「信頼」です。薬の作用や副作用、飲み合わせのリスクなどをしっかりと説明しながら、地域住民の方々と信頼関係の元、繋がれているかということがAmazon薬局との差別化においてポイントとなってくるかと思います。


患者に信頼され繋がり続けるための方法

では地域住民に信頼されながら、今後も長く繋がっておくにはどのようにすればよいでしょうか。


答えはシンプルで、薬局における”LINEの活用”です。LINEは、日本国内において⽉間のアクティブユーザーが9300万人(2022年9⽉末時点)にものぼるメッセージ通信アプリです。


ビジネスシーンにおいては「LINE公式アカウント」として活用が進んでいて、近年では、様々な企業や公官庁も積極的にLINE公式アカウントを取り入れており、例えば、地方自治体からは新型コロナ感染症に関する通知やワクチン接種の案内、メディアからは最新ニュースの配信、ブランドやメーカーからは新商品のお知らせなど、LINEを使っている方の多くがこういった配信を通して情報を取得した経験があるのではないでしょうか。


こういった企業や公官庁からの配信が、「LINE公式アカウント」にて作成・設定され、お友だち登録で紐づけられているアカウントひとつひとつに配信されるという流れになっています。


LINE公式アカウントは、メッセージの配信以外にも様々な機能が標準装備されており、薬局業務においても有効的に使えるものが数多くあるのですが、その中のひとつが、ビデオ通話です。このビデオ通話機能を使って、薬局はオンライン服薬指導を行うことができます。


そろそろオンライン服薬指導に対応できるようにしたいけど、何のツールを導入すればよいのか?あまりコストはかけたくない…という薬局は使わない手はありません。


そしてメッセージ配信機能やチャット機能。この機能を通して、服薬期間中のフォローアップや、商品のお知らせなどが可能になります。薬剤師だからこその知識や情報をしっかりとお伝えし、信頼関係の構築や、薬局のファン化・リピーター化に繋げてください。



まとめ

ここまで、「Amazon薬局は脅威なのか、チャンスなのか」をテーマにお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。冒頭にも記載した通り、答えは「薬局による」のが正直なところです。


アマゾン薬局の持つ強み、調剤薬局の持つ強みをそれぞれきちんと理解し、ニーズの違いを満たすこと、また時代の流れに沿った環境整備を行いチャンスを棒に振らないこと、これが最も重要なポイントになるのではないでしょうか。


またLINEの活用においては、地域住民や患者様とLINEのお友だちとして繋がり、信頼関係を構築していくことが大切です。


あなたの調剤薬局では、LINEの有効的な活用方法や、お友だち登録者数の増やし方なども各薬局様向けにサポートしています。気になる方は、無料のオンラインセミナーやレポート請求などもできますので、ぜひチェックしてみてください。


薬局淘汰の時代と言われ、薬剤師に求められることが大きく変化している昨今ですが、10年後、20年後もみなさんの薬局が地域で愛されることを願っています。


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