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株式会社大慶堂の成功事例―地域に根差した薬局であり続けるためにー

埼玉県深谷市を中心に調剤薬局を4店舗展開している株式会社大慶堂。

調剤薬局の他にもOTC漢方薬の相談・販売などを行う漢方薬局の運営や、訪問看護ステーション、薬膳レストランなど幅広く展開し、またオリジナルの健康食品開発にも取り組むなど地域の人々の健康づくりに深く寄り添い、多方面からサポートしている企業です。


そんな株式会社大慶堂では、今から約1年前に「あなたの調剤薬局」を導入。

同社の岡副社長にあなたの調剤薬局導入への思いや、導入後の変化を伺いました。





 

目次

 

きっかけは服薬期間中のフォロー義務化


展開する調剤薬局4店舗のうち、現在はさんあい薬局、日赤前薬局、さんさん薬局という3店舗であなたの調剤薬局を導入している状況です。さんあい薬局、日赤前薬局は総合病院の門前、残りのさんさん薬局はクリニックの門前という形でそれぞれ位置しています。


あなたの調剤薬局を導入したのは2021年5月。ちょうど昨年の今頃でした。3店舗とも同時に導入を進めたのですが、きっかけとしては薬機法の改正により服薬期間中のフォローアップが義務化されたことでした。


義務化された当初はそれぞれの局内で患者様をピックアップし、電話などでフォローアップを行っていました。しかし実際には電話もなかなかかけづらく、フォローアップもいまひとつ上手く行えていない。そんな事から、LINEで気軽に患者様の状況を確認できる「あなたの調剤薬局」導入を決めました。


今も電話でフォローする患者様もいらっしゃいますが、全体を見ると、導入前と比べ薬剤師の負担も減り、患者様へのフォローアップも強化することができています。


イベントの告知やセルフメディケーションの推進にも


また導入の決め手として他にも、薬局内でイベントを開催したりする際の告知にすごく使いやすいと感じました。健康相談会や、血流の測定会、お薬手帳に関するセミナーなど、様々なテーマで少数制のイベントをやっていたりするので、そういうお知らせにも活用できるなと。

また、OTC医薬品の販売にも力を入れているので、例えば季節ごとに「こういった商品がありますよ」というご案内も、LINEというツールがあることでより有効的に発信できると思いました。様々な方に自社のサービスや薬局を知ってもらうきっかけとなっています。


患者様から気軽に相談してくれるようになった


導入後の変化として、服薬期間中のフォローアップという点では、あなたの調剤薬局のシステムが自動で患者様に連絡してくれているので、そこから悩みがある人との会話やコミュニケーションに繋げられています。


こういったフォローアップをきっかけに健康相談にも繋がり、処方箋に絡むもの絡まないもの両方あるのですが、患者様側から気軽に相談してくれるようになり、現場の薬剤師からも助かっているという声があがっています。


加えて、コロナの流行時期に抗原検査キットを準備した際は、来局されていない患者様にもいち早くその旨をお伝えでき、そこはすごく大きかったなと思っています。


患者様への声かけ


現在のLINEお友達登録者数は、さんあい薬局が約400名、日赤前薬局が約300名、さんさん薬局が約200名というところなのですが、やはり最初は登録をしてもらうという部分で苦労はありました。しかし徐々に声かけの要領をつかんできて、何回も回数をこなしていくうちに今ではスムーズにご案内できるようになりました。


どうしても総合病院の門前は高齢者の患者様の割合が多く、80代くらいの方になるとスマホ自体をお持ちになっていない方もいらっしゃいます。

そういう意味では、例えばさんあい薬局などは月に4000~4500枚くらいの処方箋を受け付けているのですが、その大多数が高齢者ということでお友達登録者数の伸び悩みがあるのが実情です。


そういった背景もありここ最近の伸び率は微増となっていますが、今でも常にお声がけは現場の取り組みとしてやっているので、今後はLINEお友達登録強化月間みたいなのを作って集中的に加速させたいと思っています。お友達登録がなかなか進まない中で、毎回のお声がけになるとスタッフ側も患者様側も疲れちゃいますから。


導入にあたっての懸念点としても、最初はやはり声かけの仕方がわからないという意見が現場からも上がってきて、これをどういうふうに伝えて患者様に登録してもらおうか、このシステムの良さをどう伝えれば良いのかというところで悩みました。


しかしそんな中でも、それぞれの工夫や努力の甲斐あって登録者数が増えていき、患者様とLINEでのやりとりも発生して行く中で、現場の薬剤師自身がこのシステムのメリットというものをしっかり理解できるようになってきました。


そういった点が、また新たな患者様へお声がけする際の自信になり、今では声かけをすることを苦に感じているスタッフは非常に少なくなっています。


クリニックの門前ではかなりの好印象


ちなみに先ほど、さんあい薬局の月の処方箋受付件数が約4000~4500という話をしましたが、日赤前薬局は約1700~1800件、さんさん薬局は100~200件程度という状況です。


さんさん薬局は在宅の処方箋も受けていて在宅の割合が多く、一般の外来はクリニックの患者さんが中心となりますが、年齢層が20代~50代と比較的若いので、そうなるとLINEが日常にあり、お声掛けするとほとんどの方が登録してくれるという状況です。月の処方箋受付枚数に対するお友達登録者数の割合は、他店舗と比べてかなり伸ばすことができています。


患者様からは、「そんな機能があるんだ」「便利だね」といった感じで好印象を持たれる方が多く、「じゃあ何かあったときは、これ(LINE)で言っちゃえばいいんだね」とすんなり機能を理解してくれます。


逆に断られる時のパターンとしては、患者様ご自身がこの機能をどう使えばいいのか、頭の中でイメージができていないことが多く、「なんかよくわかんないから今はいいや」というケースです。つまり、機能自体の良さを認識して頂いた患者様は皆様すんなりと登録頂くことができていて、活用して頂いています。


「何かあった時に24時間いつでもいいので、ここにメッセージを送ってください。そんなに時間を空けないうちにお答えできますよ。」という風に説明し、機能や良さがわかると結構すんなりと登録して下さっています。


患者様の立場からすると電話をかけるよりは、LINEの方が気楽に感じる方が多いでしょうし、24時間いつでもというのは心強いと思います。


LINEを通して処方箋予約を下さる患者様も一定数います。

もう毎回LINEで予約という方もいますし、門前じゃなくて違うところの医療機関にかかっている方でも、面的な要素としてLINEで処方箋予約をして来局されるというケースも多いです。



業務効率化への取り組み


業務の効率化という部分で言うと、実はまだあまり多くは実施できていないのですが、一日に何人もに電話しなきゃいけないという部分からは解放されたので、あなたの調剤薬局を導入していない時期に比べるとずいぶんと楽にはなりました。


また、トレーシングレポートにつながるようなケースも増えてきて、以前に比べると服薬情報提供料の算定もできています。以前はトレーシングレポートを書くこと自体に悩んで時間がかかっていたのですが、それが今ではLINEのやり取りからワンクリックで簡単に出力できるようになり、回数を重ねることで今はより負担が軽くなっています。


薬剤師として求められるものが増えている今


今後としては、基本的には全ての店舗で地域連携薬局がとれるように動いていきたいという目標があります。そのためには果たさなければいけない役割がそれぞれあり、そこに向けても業務の効率化や、ツールをうまく活用して要件がクリアできるように動いていく必要があると思っています。


昔に比べて薬剤師がやらなきゃいけないことって、すごく増えてきました。単純に服薬指導してそこで終わりっていう時代もあったけど、これから先はそうはいかない。


服薬期間中のフォローもしなきゃいけないし、地域での活動も積極的に行っていかなきゃいけない。また調剤医薬品だけでなく、OTC医薬品もしっかりサポートする必要がある。薬剤師として求められるものが増えているので、様々なスキルを磨いていかなければなりません。


物から人にシフトさせるためにも、やはり効率化できる業務はしっかりと見直して、薬剤師の時間を作ってあげないと、彼らが本当にやりたいことができないので、そういうところは今後整理して行きたいと思っています。


「あなたの調剤薬局」導入を検討されている方へ


「あなたの調剤薬局」の活用は、今後求められる様々な要素をクリアする上でもお勧めです。店頭での服薬指導以外に患者様とコミュニケーションをとる事ができるので、導入前よりも距離がより短く、関係も深くなったという手ごたえがあります。親しみが湧いて、LINEでどんどん質問を下さる方もいらっしゃるくらいです。


ある意味ではそういった対応が大変に感じる時もありますが、でもこの大変さっていいことじゃないですか。それだけ信頼して頼ってくれているということは、今後さらに地域に根ざした薬局を目指すという上でも“価値”につながることなので、そういう意味で本当に良い傾向だなと思います。


導入を検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になると嬉しいです。


まとめ


ここまで、株式会社大慶堂のさんあい薬局様・日赤前薬局様・さんさん薬局様の導入事例をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。


服薬期間中のフォローアップ義務化がきっかけで「あなたの調剤薬局」を導入され、今では患者様とのコミュニケーションツールとして、また業務効率化への手段として、幅広くご活用頂いています。


対物から対人へと重視するものが変わり、薬局や薬剤師は時代に合わせ柔軟に変化することが求められています。今後も、あなたの調剤薬局・健康サロンでは時代の変化や様々なニーズに合わせ、日々進化し、患者様に寄り添う薬局をサポートしてまいります。

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